ファンダメンタル・フットボール・ポジション
タッチフットボールの動きの基本姿勢は、「ファンダメンタル・フットボール・ポジション」と呼ばれる前後左右に素早く動ける姿勢で、常にこの姿勢からプレーを開始します。両足を肩幅に広げ、膝は軽く曲げます。腰を少し落として重心を下げ、背中は伸ばして軽く前方に傾けます。足の裏は全体でグラウンドを感じるようにしますが、体の重心は両足の母指球(親指の下のふくらんだ部分)にかけます。両肘を体の外側に出し、腕は自然に軽く曲げます。

カット
走路変更を「カット」といいます。曲がる方向と反対の足を、前方にいる守備選手を突き抜けるように短く素早いステップで踏み出します。その足でしっかり地面をグリップしてから、逆の足を曲がる方向に短く踏み出し、踏み込み足を踏ん張ってカットします。膝を柔らかく、重心を低くします。
ボールキャリング
ボールを持って走る場合は、ボールの先端を人差し指と中指で挟むように握り、他方の先端をひじの内側と体(脇腹)でおさえます。ボールはタッチなどでのファンブル(ボールを取りこぼすこと)を避けるために、守備選手と反対側の手で持ちます。走りながらボールを持ち変える場合は、ボールを持った側の手を、掌を上にした状態で体の前方に回し、一方の手でボールの反対の先端を握って肘をかぶせるようにして、抱え込みます。かぶせた手でボールを体の横に抱え込めば、持ち変え完了です。
フォワードパス
相手のエンドライン方向、つまり前方へのパスをフォワードパスといいます。このパス技術で、ボールを広く、早く前進させます。
右手の親指と人差し指を広げた中心を、ボールの上部の縫い目(レース)に合わせて、ボールの前方の2分の1を握ります。
肩幅に開いた両足は投げる方向に対して45度に位置します。ボールを頭の後方に引き、前方の足を投げる方向に踏み出すとともに、なるべく高い位置でボールを放します。
投げる目標は、レシーバーの胸です。レシーバーが走っている場合は、速度を落とさず捕球できる前方(走りをリードする位置)に投げます。
パスの種類
ボールの飛距離では、ロング・パス(25ヤード以上)、ミドル・パス(10~25ヤード)、ショート・パス(10ヤード以内)に分類できます。またパサーがタッチを避けるための、パスをするまでの行為でドロップバック・パス(投げる前に数歩後退してからパスする)や、ロール・パス(左右に走ってパスする)、プレーアクション(ラン・プレーのフリをする)などもあります。
パスプレーは成功すれば長い前進の可能性もありますが、ラン・プレーと比べて成功率が低く、インターセプト(=守備側にボールを奪われて攻撃権を失うこと)の可能性もあります。
フォワードパスのルール
フォワードパスは攻撃チームの選手がニュートラルゾーンを超えない位置から、1回のダウンに1回だけ投げることができます。ボールをキャッチすればプレーは続行し、地面に触れる/場外に出た場合はプレー不成功(インコンプリート)となり、そのダウンが始まった地点にボールを戻して、次のダウンを開始します。もし、攻撃中に守備選手がボールをキャッチ(インターセプト)した場合はそのままプレーを続行し、プレーが終了した地点から攻守交替し、守備側のファーストダウンとなります。
レシービング
腹部より上に飛んできたボールには、掌を開いた両手の親指と人差し指をつけて輪をつくり、ボールを輪にいれるようにレシーブします。腹部より下に飛んできたボールには、小指をつけて広げた両掌でキャッチします。ボールから目を離さずに、ボールが手に入るまで集中することが大事です。体で抱き込もうとすると、ボールから目が離れ、握り損ねる可能性があります。

*このページは「アメリカンタッチフットボール&フラッグフットボール入門(著:後藤 完夫)」を参考に作成しています。